68年の名物チャンティエンアイス、旗艦店が9月15日で閉店

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ハノイの中心、オペラハウスから歩いてすぐの35 Tràng Tiền(チャンティエン)通りにあるアイスクリームの旗艦店が、2026年9月15日で店を閉じる。1958年の創業から68年、ハノイっ子が夏の午後に列をつくり、外国人旅行者がガイドブック片手に立ち寄ってきた場所だ。ブランド側は、68年を経てこの建物が「歴史的な役割を果たした」と述べ、より現代的な店舗空間をつくり顧客体験を高める店舗網の発展計画の一環だと説明している。閉店と聞くと寂しさが先に立つが、この味が消えるわけではない。歩いて数分のところに以前から営業している系列3店があり、閉店後も同じ味を買える。だからこそ、9月15日の閉店までの数日間は、創業の地の店内で味わえる最後の機会になる。

目次

35番地の旗艦店が閉じても、同じ味は近隣3店で買える

VnExpress英語版(2026年9月9日)によると、閉店するのは創業の地である35 Tràng Tiền通りの旗艦店で、閉店日は9月15日。ブランドの担当者は、68年の営業を経てこの建物が「歴史的な役割を果たした」と述べ、「お客様には最後の思い出をゆっくり心に刻んでほしい」と呼びかけた。閉店の理由は、より現代的な空間をつくって顧客体験を高めるための店舗網の発展計画の一環だと説明されている。撤退ではなく、店の構えを新しくしていく過程での一手という位置づけだ。

同じ味を扱うのは、いずれも徒歩圏にある系列3店。18 Hàng Bài、44 Tràng Tiền、18 Ngô Quyền である。これらは今回の閉店に合わせて新設された店ではなく、以前から営業している既存の店舗だ。旗艦店から18 Hàng Bàiまでは通りを一本またぐ距離、44 Tràng Tiềnは同じ通りの並び、18 Ngô Quyền もオペラハウス裏手の徒歩数分にある。つまり「あのアイスが食べられなくなる」わけではなく、「あの建物で食べる体験が9月15日で締めくくられる」という話だ。味だけが目的なら、旅程を前倒しする必要はない。近隣3店で変わらず味わえるからだ。

コムや緑豆の伝統の味が、68年愛されてきた

このアイスは1958年に生まれ、世代を越えて売られ続け、祖父母から孫へと記憶が受け継がれてきた街の味だ。VnExpressによれば、2023年にはTasteAtlasの専門家が世界の「伝説的アイスクリーム店100選(100 Legendary Ice Cream Parlors)」に、この店を選んでいる。ハノイの街角のアイスクリーム店が、国際的な食のリストに名を連ねたことになる。

味の主役は、洋菓子的な華やかさではなく、ベトナムの家庭に近い素材だ。VnExpressは、コム(若い緑米)、緑豆(đậu xanh)、ココナッツミルクといった「伝統的な味」が、現代的な選択肢が増えた今も支持されていると伝えている。記事に登場する21歳の学生も、こうした昔ながらの味を目当てに足を運んでいる。暑い午後にさっと食べて涼をとる、生活に溶け込んだアイスクリーム。この素朴さが、世代を越えて支持されてきた理由だろう。

9月15日の閉店を境に、訪れ方はこう変わる

今回の再編で、旅行者にとっての動線がどう変わるのかを整理しておく。固有名と日付は、VnExpressの報道で確認できたものだけを記載している。

店舗 閉店前(9月15日まで) 閉店後(9月15日〜)
創業の地・35 Tràng Tiền(旗艦店) 営業(店内で味わえる最後の期間) 閉店
18 Hàng Bài 営業 継続
44 Tràng Tiền 営業 継続
18 Ngô Quyền 営業 継続
同じ味の入手 4拠点で可 近隣3拠点で継続

閉じるのは1拠点で、味へのアクセスは3拠点に残る。「今すぐ行かないと二度と食べられない」という焦りは要らない。一方で、創業の建物で食べる体験だけは9月15日で区切りになる。旅行日程がこの週にかかる人にとっては、35番地に立ち寄る価値がはっきりある。

惜別に訪れる人が増え、行列が伸びている

VnExpressは、店に足を運んだ人々の声を伝えている。60歳の常連、Phạm Thị Đức さんは「若い頃の記憶が詰まった場所が消えようとしていて、喪失感を覚える」と語った。長い時間このアイスとともに歳を重ねてきた世代にとって、35番地の建物は単なる売店ではなく、青春の一場面そのものだったことがうかがえる。

一方で、21歳の学生 Nguyễn Tú Anh さんのように、昔ながらの味を求めて通う若い層もいる。閉店が9月4日に告知されて以降、来店客は大きく増え、ある売り子は客数が倍増したと話す。9月7日には夜7時ごろから歩道を越えて路上まで行列が伸びた。最後の思い出を胸に刻もうと訪れる人が、それだけ多いということだ。混み合う時間帯を避けたいなら、時間に余裕をもって出かけたい。

35番地の記憶を、新しい店舗にどう引き継ぐか

この閉店は、老舗が店をたたむだけの話ではない。象徴的な旗艦店を閉じてもブランドの記憶を絶やさない、という店舗網の作り替えのケースとして読める。チャンティエンは、閉店を「撤退」ではなく「より現代的な空間づくりと、近隣の既存店での継続」という前向きな文脈で発信した。惜別に訪れる客が増えても、それを煽るのではなく「最後の思い出をゆっくり刻んでほしい」と静かに呼びかけている点に、老舗の落ち着きがある。

京都で食品の製造と発信に携わってきた立場から見ると、この考え方は乾燥野菜やドライフルーツのような伝統的な食品を扱うブランドにも応用が効く。旗艦店や催事という「体験の場」で物語を語り、日常の購入は近隣の複数拠点で切らさない。象徴的な場所は数を絞って濃く運用し、入手経路は分散させておく。閉店の告知ひとつをとっても、「終わり」ではなく「場所を変えて続く日常」として設計すれば、ブランドの記憶は途切れずに次の世代へ渡る。チャンティエンの発信は、その一例だ。

ハノイの食が世代を越えて愛されるのは、こうした庶民的な一品を長く守り続ける姿勢があるからだ。国慶節の朝に老舗フォー店へ列が伸びた様子はハノイのフォー、国慶節の朝に老舗とミシュラン店へ列が伸びたで伝えたが、アイスもフォーも、世代を越えて日常に根づいた一品が街の記憶として受け継がれるという共通点をもつ。

9月15日までに35番地を訪ねるなら押さえたい5点

閉店を控えた35番地の旗艦店を訪ねる場合の要点をまとめる。混雑が続いているので、時間に余裕をもって回りたい。

項目 内容
旗艦店の所在 35 Tràng Tiền通り(ハノイ・ホアンキエム区、オペラハウス至近)
旗艦店の閉店 2026年9月15日
閉店後も味わえる店 18 Hàng Bài/44 Tràng Tiền/18 Ngô Quyền(いずれも徒歩圏の既存店)
味の目印 コム(若い緑米)、緑豆、ココナッツミルクなど伝統の味
混雑の状況 9月4日の告知後に客数が倍増。9月7日は夜7時ごろから行列

ハノイ滞在が中秋の時期に重なるなら、アイスの食べ歩きとフォトスポット巡りを一日にまとめると効率がよい。満月を待たずに中秋の飾りを撮れるカフェを紹介した満月を待たず、ハノイで中秋フォトが撮れるカフェ5選と合わせて、35番地→近隣カフェという半日の徒歩ルートを組むと、閉店前のハノイ旧市街を一気に体験できる。

35番地で一本食べ、近隣3店を地図に残す

チャンティエンのアイスは、店じまいで消える味ではない。9月15日に閉じるのは35番地の建物ひとつで、コムや緑豆の一本は近隣の既存3店で変わらず買える。だから旅行者がとれる行動ははっきりしている。9月15日までにハノイにいるなら、創業の地で一本を食べ、その足で最寄りになりそうな18 Hàng Bài・44 Tràng Tiền・18 Ngô Quyền の場所を地図に控えておく。そうすれば、旗艦店の記憶と、これから何度でも通える継続先の両方が手元に残る。惜別と再訪を一度の散歩で両立できるのが、この閉店の穏やかな楽しみ方だ。

参照元

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この記事を書いた人

ベトナム・ホーチミン在住3年目|旅行で来るだけでは知ることができない、現地にいるからこそわかるローカル情報を中心に発信していければと思いベトナム旅行の専門情報サイトを立ち上げました。

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