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ベトナムの飲料チェーン市場が2026年、13億ドルを突破した。シンガポールのベンチャーキャピタルMomentum Worksが発表したレポートによると、コーヒーチェーン部門が7億2500万ドル(前年比27%増)、紅茶チェーン部門が6億1700万ドル(同28%増)で、東南アジア全体ではインドネシア・タイに次ぐ第3位の市場規模だ。
ベトナム国内で1000店超を持つコーヒーチェーンは、ミラノコーヒーだけだ。全国に約2500店を展開し、東南アジア全体でも圧倒的な存在感を持つ。東南アジアで1000店超のチェーンが11社あるなか、ベトナム単独でその水準を超えているのはミラノコーヒーのみという事実が、ベトナムのコーヒー文化の根強さを物語っている。
2位はハイランズコーヒー(985店)。フィリピンの外食大手ジョリビー・フーズが親会社で、IPOを視野に入れた拡張フェーズに入っている。
| チェーン名 | 店舗数 | 特徴 |
|---|---|---|
| ミラノコーヒー | 約2,500 | ローカルチェーン最大手 |
| ハイランズコーヒー | 985 | ジョリビー傘下・IPO準備中 |
| ToCoToCo | 約1,000 | 紅茶チェーン最大手 |
| フックロン(Phuc Long) | 数百 | スペシャルティ志向 |
| スターバックス | 100超 | 外資プレミアム |
ベトナムでコーヒーを飲む体験は、観光の醍醐味のひとつだ。地域によって全く違う顔を見せるのが、ベトナムコーヒー文化の特徴だ。
ハノイ(北部)のカフェ文化
古い建物を改装したカフェが路地に点在する。鉄道沿いのカフェ街「トレイン・ストリート」は世界的に有名な観光スポットになった。ゆっくり座って時間を過ごす「カフェ文化」が根強く、地元の人々との交流が生まれやすい空間だ。
名物はエッグコーヒー(Cà Phê Trứng)。生卵の黄身と練乳を泡立てたクリームをコーヒーの上に乗せた甘いドリンクで、ハノイならではの文化体験として絶大な人気を誇る。
ホーチミン(南部)のカフェ文化
スタイリッシュなカフェが急増中だ。コワーキング×カフェという新業態も増え、若者・外国人に人気。ビルの屋上テラスや工場跡地を改装したカフェが「映えスポット」として機能している。
ホーチミン名物はアイスミルクコーヒー(Cà Phê Sữa Đá)。練乳とロブスタ種コーヒーの組み合わせで、甘くて濃いのが特徴だ。
1. ローカルチェーンを選ぶ
スターバックスはホーチミン・ハノイに複数店舗あるが、価格は日本と同水準。ハイランズコーヒーやフックロンなど地元チェーンを選ぶと、現地の雰囲気を感じながら100〜200円台で楽しめる。
2. ドリップコーヒー(カフェ・フィン)体験
ベトナムのドリップ器具「フィン(Phin)」で淹れるコーヒーは、観光客に人気の体験だ。ローカルカフェで頼むと自分でドリップする楽しみがあり、待ち時間も体験のうちだ。
3. バインミーとのセット文化
カフェでバインミー(ベトナムサンドイッチ)を注文するのが現地の朝ごはん文化だ。コーヒー+バインミーのセット価格は、日本円で200〜300円程度。旅行中の朝食として最高のコスパだ。
Momentum Worksのレポートが指摘するのは、「急速な店舗拡張より、運営効率性とサプライチェーン最適化」への競争軸の移行だ。既存チェーンが質の向上に注力するフェーズに入ることで、ベトナムのコーヒーシーンはさらに成熟していくと見られる。
旅行者にとっては、チェーン各社が品質向上に競争することで、コーヒーの体験価値が高まる恩恵を受けられる。2026年のベトナム旅行は、コーヒーシーンが最も充実した時期のひとつになりそうだ。
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