ダナンの海辺に竹と木で組んだ屋台村が現れ、外国人が皿を手に列を作った。7月22日から26日まで市が開いた「Enjoy Da Nang Festival 2026」の一角で、クアンナム(旧クアンナム省)ゆかりの郷土料理に旅行者が夢中になった、と7月23日付VietnamNetが伝えた。祭りは26日で終わったが、そこで人気を集めた料理はダナンとホイアンで通年食べられる。この光景は、ダナン旅行で「何を食べるか」を考える具体的な手がかりになる。
会場はビエンドン公園、竹で村を再現した屋台に外国人が席を埋めた
会場はダナン市街東側の海沿い、ビエンドン公園(Bien Dong Park)。竹と簡素な木の家具でベトナムの村を再現した空間に食の屋台が並び、夕方になると席が次々に埋まった。外国人客は調理の様子をのぞき込み、材料を尋ねてから注文する。グループ同士で「あれがうまい」と勧め合う声が飛び交い、村の縁日のような熱気が生まれた。行政が掲げた「自然の景色だけでなく、地元の人の温かさともてなしを体験してもらう」という設計が、距離の近い屋台でうまく回った格好だ。
目立ったのはバインセオとネムルイ、どちらも「自分で巻く」参加型
屋台村で目立ったのが、クアンナム地方の名物だ。代表格はバインセオ(banh xeo)とネムルイ(nem lui)。バインセオは米粉の生地を薄く焼き、モヤシやエビ、豚肉を挟んでパリッと仕上げるお好み焼き風の一品で、香草と一緒に生野菜で巻いてタレにつけて食べる。ネムルイはレモングラスの茎などに味付けした豚肉を巻いて炭火で焼く串もので、ライスペーパーに野菜と一緒に包み、ピーナッツ入りの濃いタレでいただく。どちらも「自分で巻いて、つけて、食べる」参加型で、材料を尋ねながら注文する外国人客との相性がよかった。主催者は「一皿ごとに、その土地と人の物語がある」と説明し、旧クアンナムの食文化を体験として届ける狙いが料理選びに表れていた。
| Dish | どんな一品か | How to eat |
|---|---|---|
| Banh xeo | 米粉生地の薄焼き。エビ・豚肉・モヤシ入り | 生野菜と香草で巻きタレにつける |
| Nem Lui | 味付け豚肉の炭火焼き串 | ライスペーパーで包みピーナッツダレで |
屋台村の外には、ミー・クアンとホイアンのカオラウが待つ
バインセオとネムルイに並ぶクアンナムの看板が、ミー・クアン(mi Quang)だ。ターメリックで黄色く染めた太めの米麺に少なめのスープをからめ、エビや豚肉、ゆで卵、砕いたライスペーパーや落花生をのせる。汁そばと和え麺の中間のような一杯で、テーブルごとに香草やライムを足して味を決める。ダナンとホイアン一帯では朝食から昼にかけて食べる家庭料理で、専門の食堂が街のあちこちにある。ホイアンまで足を延ばせば、その土地でしか本来の形が出せないカオラウ(cao lau)にも出会える。井戸水と灰汁で仕込むとされる独特のコシの麺に、チャーシュー状の豚肉と揚げた麺片、たっぷりの生野菜を合わせる。この四つを押さえれば、クアンナムとホイアンの食の骨格はほぼつかめる。
辛すぎず野菜で巻くから、日本人の口に合いやすい
ダナンは日本から直行便で行けるビーチ都市だが、「何を食べればダナンらしいのか」は意外と知られていない。今回の屋台村は、その答えを外国人客の行列という形で示した。バインセオもネムルイも辛すぎず、野菜と一緒に巻いて食べるため日本人の口に合いやすい。パクチーが苦手なら「香草抜き」を頼めばよく、屋台なら指さしで通じる。旅の初日に一度これらを押さえておくと、その後の食事選びの軸ができる。ダナンの食の楽しみは屋台だけではなく、朝5時に漁師と網を引き、浜でイカ入り麺を食べる過ごし方と組み合わせれば、朝は海の幸、夜は郷土料理という一日が作れる。祭りの食に興味が湧いたら、カントーの食フェスと水上市場めぐりも近い切り口だ。
会期は終わっても、街の食堂で同じ二品はいつでも食べられる
「Enjoy Da Nang Festival」は7月26日で会期を終えた。ただ、屋台村を沸かせたバインセオやネムルイは特別なイベント食ではなく、ダナンとホイアンの街なかの食堂で通年出している定番だ。専門店ではその場で焼き上げる熱々を出す店が多く、屋台より落ち着いて味わえる。ホイアンの旧市街まで足を延ばせば、クアンナムの家庭の味により近づける。屋台では指さしと簡単な英語、電卓表示で注文が成立し、香草抜きや辛さの調整も頼める。現金の小額紙幣を用意しておくと、複数の屋台を渡り歩くときの支払いがスムーズだ。次にダナンへ行くなら、初日の夜はビエンドン公園周辺やホイアンで、この二品から始めるといい。屋台村と同じ会期・同じ公園では、夜のビーチイベント「光の海のパーティー」も開かれた。
