ベトナムの食堂やビアホイで席につくと、まず出てくるのがローカルの大手ビールです。Saigon、333(バーバーバー)、Bia Hà Nội……。銘柄を少し知っておくだけで、注文がぐっとスムーズになり、現地の人と同じ一杯を楽しめます。
この記事では、ベトナムのローカル大手ビールを地域と会社ごとに整理し、味の違いや頼み方まで、旅行者目線でまとめました。個性派のCraft beerに進む前の、土台になる一杯たちです。
ベトナムのビール勢力図:4つの会社が主役
ベトナムのビール市場は、大きく4つの会社が握っています。銘柄はたくさんあっても、この4社を押さえれば全体像が見えてきます。
| 会社 | 主なブランド | Characteristics |
|---|---|---|
| SABECO(サベコ) | Saigon、333 | 国産最大手。南部で圧倒的な存在感 |
| HABECO(ハベコ) | Bia Hà Nội、Truc Bạch | 北部の雄。19世紀末から続く歴史あるブランド |
| Heineken Vietnam | Tiger、Larue、Heineken | 外資系大手。人気の Tiger や中部の Larue を展開 |
| Carlsberg | Huda | フエ発の中部ブランド Huda を展開 |
国産の二大巨頭が南の SABECO と北の HABECO。そこに Heineken と Carlsberg という外資が、全国区とご当地の両面で食い込んでいます。市場全体では、Tiger などを抱える Heineken Vietnam が最大級のシェアを持ちます。
南部の主役:Saigon と 333
ホーチミンをはじめ南部で最もよく見るのが、SABECO の Saigon ビールと 333 です。SABECO の源流は1875年、フランス人がサイゴンに開いた醸造所にさかのぼり、独立後の1977年に国営化、2017年にはタイの ThaiBev が経営権を握りました。
Saigon ビールは「色」で選ぶ
食堂でよく見かける Saigon の主力は、次の3種。ラベルの色で見分けます。地元では「赤 → スペシャル → 緑」の順で好まれる傾向があります。
| Label | ラベルの色 | 味わいの目安 |
|---|---|---|
| Saigon Export | 赤 | コクがありバランスがよい。地元で一番人気 |
| Saigon Special | 銀(プレミアム) | すっきり上質。少しよそゆきの一杯 |
| Saigon Lager | 緑 | 軽くて素直。値段も手ごろ |
度数は銘柄ごとに少し違いますが(Lager は4.3%、Special は4.9%)、いずれも軽快なラガー。食事に合わせてゴクゴク飲むのに向いています。
333は海を越える定番の缶ビール
緑の缶でおなじみの 333(ベトナム語で「バーバーバー」)は、海外にも広く輸出される、ベトナムを代表する缶ビールです。屋台でも店でもよく見かける、南部の定番です。
北部の主役:Bia Hà Nội と Truc Bạch
ハノイなど北部で強いのが、HABECO の Bia Hà Nội です。その歴史は古く、19世紀末(1890年)にフランス人のアルフレッド・オメルが開いた醸造所が源流。100年以上、首都の食卓を支えてきたブランドです。
- Bia Hà Nội:やや軽めで、あっさりした飲み口。北部の定番ラガー
- Truc Bạch(チュックバック):HABECO のプレミアム。度数5.1%とやや高く、コク重視の一杯。ハノイのチュックバック湖にちなんだ名前です
なお、ハノイには瓶・缶の Bia Hà Nội とは別に、その日仕込みの生ビール「ビアホイ(bia hơi)」を1杯数十円で飲む文化も根づいています。詳しくはビアホイ完全ガイドをどうぞ。
中部の主役:Larue と Huda
フエやダナンなど中部を旅すると、南北とは違う銘柄に出会います。この土地で親しまれているのが Larue と Huda です。
- Larue(ラルー):フランス植民地時代にルーツを持つ中部の老舗ブランド。現在は Heineken Vietnam が展開
- Huda(フーダ):古都フエ生まれのビール。現在は Carlsberg が手がける、中部の顔
中部を旅するなら、その土地の Larue や Huda もぜひ。旅程づくりはベトナムの食べ物ガイドis a useful reference.
全国で見かける外資ブランド
国産大手のほかに、外資のブランドも全国で流通しています。とくに Heineken Vietnam は、Tiger をはじめ人気ブランドを傘下に抱えています。
- Tiger(タイガー):都市部でよく見る、キレのあるラガー
- Heineken:ベトナム国内でも製造・流通。少し高めの価格帯
「ローカル大手 → 外資 → クラフト」と、価格も個性も段階的に上がっていくイメージで捉えるとわかりやすいです。
現地での頼み方・楽しみ方
銘柄がわかったら、あとは頼み方です。ベトナムならではの飲み方のコツを押さえておきましょう。
- 氷を入れる:南部では、ぬるいビールにグラスの氷(đá)を入れて飲むのが一般的。冷えていないときは氷をもらいましょう
- 乾杯の合図:「Một, hai, ba, dô!(モッ・ハイ・バー・ヨー=1・2・3・乾杯!)」。地元の人と飲むなら覚えておくと盛り上がります
- 値段の目安:ローカル食堂なら1本20,000VND(約120円)前後。屋台のビアホイはさらに安いです
- 飲む場所:食堂、屋台、ビアホイ、コンビニ。どこでも手に入ります
ローカルビールに合うベトナム料理
軽くてキレのあるベトナムのラガーは、脂や香辛料の効いた料理と相性抜群です。屋台や食堂で頼みたい、定番の組み合わせを挙げておきます。
| Dish | 相性のポイント |
|---|---|
| 焼き物(nướng) | 炭火焼きの肉や魚介。香ばしさと冷えたラガーは鉄板の組み合わせ |
| 貝料理(ốc) | ホーチミンの貝専門店の定番つまみ。塩気とビールが進む |
| 鍋(lẩu) | 汗をかきながらの鍋に、キンキンのビールで一息 |
| 揚げ春巻き(nem / chả giò) | さくっとした揚げ物に、軽いラガーがよく合う |
貝で一杯やりたいなら、ホーチミンの貝専門店 Ốc Đàoのような店が狙い目。夜の過ごし方はベトナムのナイトライフガイドis also a helpful reference.
クラフトビールとの違い
ローカル大手のラガーは、軽くて安く、料理に合わせてたくさん飲むためのビールです。一方、小規模な醸造所が個性を競わせるクラフトビールは、香りや味の濃さで一杯をじっくり楽しむタイプ。目的が違います。
まずはローカル大手で土地の味を押さえ、余裕があればクラフトへ。個性派の世界はベトナムのクラフトビール完全ガイド、南部で飲み歩くならホーチミン クラフトビール完全ガイドにまとめています。
Frequently asked questions
- ベトナムで一番人気のビールは何ですか?
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南部では SABECO の Saigon ビール(とくに赤ラベルの Saigon Export)が定番です。缶ビールの 333 も海外に広く輸出されています。北部では Bia Hà Nội がよく飲まれます。
- Saigon ビールの赤・緑・銀は何が違いますか?
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赤は Saigon Export(コクがあり一番人気)、緑は Saigon Lager(軽くて手ごろ)、銀は Saigon Special(すっきり上質なプレミアム)です。地元では赤が最も好まれます。
- 333は何と読みますか?
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ベトナム語で「バーバーバー(Ba Ba Ba)」と読みます。緑の缶が目印で、ベトナムを代表する輸出ビールです。
- ビールに氷を入れるのは本当ですか?
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本当です。とくに南部では、ぬるいビールにグラスの氷を入れて飲むのが一般的です。冷えたビールがよければ、氷なしで冷えたものを頼みましょう。
- ビールはいくらくらいですか?
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ローカル食堂で1本20,000VND(約120円)前後、屋台のビアホイはさらに安く1杯60円ほどです。クラフトビールはこれより高く、1杯90,000〜160,000VNDが目安です。
まとめ:地域ごとの定番を知る
南は Saigon と 333、北は Bia Hà Nội、中部は Larue と Huda。その土地で最も飲まれているビールを頼めば、注文もスムーズで、地元の人と同じ一杯を楽しめます。
ローカル大手を押さえたら、個性派のCraft beerや、1杯数十円のBia hoiへ。ベトナムのビールは、飲み比べるほど奥行きが見えてきます。
