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東南アジアの中でも、ベトナムは女性の一人旅に比較的適した国です。
2023年の「世界平和指数」では、ベトナムは全世界で41位にランクインしており、韓国(43位)やタイ(92位)よりも高い順位を記録しています。外務省の海外安全ホームページでは、2024年10月現在、ベトナム全土の危険度がレベル0となっており、隣国のカンボジアやラオスがレベル1の注意勧告が出ていることと比較しても、東南アジアの中では治安の安全が守られている国といえるでしょう。

ベトナムは仏教徒が多いことから温厚な国民性で、女性のひとり歩きも大きな問題はありません。ただし、夜の繁華街エリアはにぎわっていますが、場所によっては事件に巻き込まれる可能性があるため、人通りがない道を歩くのは避けるべきです。
凶悪犯罪(殺人や強盗など)は他国と比べても少なく、全体として治安は比較的安定しています。外国人観光客が巻き込まれやすい犯罪としては、スリやひったくりといった軽犯罪がほとんどで、特に観光地や繁華街、公共交通機関などで注意が必要です。
最も警戒すべきは、バイクを利用したひったくりです。
特に観光地や繁華街、ナイトマーケットなど人が集まる場所で、手荷物を持った歩行者を狙った犯行が多発しています。犯人はバイクに乗って急接近し、手に持っているバッグやスマートフォンを奪い取ってそのまま走り去ります。日本人街(ハノイ市:キンマー地区、リンラン地区、ホーチミン市:レタントン地区、タイバンルン地区)を中心に、携帯電話、セカンドバッグ、アタッシュケース、ポーチ等を持って歩いている人を狙う事例が確認されています。
夜間に一人で歩いている際や、手に物を持ちながらスマホを操作していると特に狙われやすいため、十分に警戒しましょう。バッグや貴重品は車道側ではなく建物側に持ち、手で持つのではなく肩掛けや斜め掛けにすることが重要です。
混雑した市場や公共交通機関内は、スリの温床となっています。
観光客等が訪れる混雑した市場や路上、大規模ショッピングモール、または長距離バスや列車等の公共交通機関の車内において、気付かないうちに携行しているバッグやウエストポーチのジッパーを開けられて財布等を奪われる事案が報告されています。バッグを前掛けするなど常に目の届くかたちで携帯するよう心がけるとともに、貴重品や現金は分けて持ち歩くなどの対策が必要です。

ホテルや空港のロビー、レストラン、大規模ショッピングモールなど多数の人が出入りする場所で置き引き被害が発生しています。
ホテルでのチェックイン手続時やロビーで人に話しかけられたときなど、荷物から目を離した一瞬の隙に被害に遭っています。持ち物からは絶対に目を離さないことが肝要です。
見知らぬ人からの「親切な申し出」には要注意です。
観光中に声をかけてくる親切そうな現地の人が、実は観光客を狙った詐欺や昏睡強盗を企てていることがあります。自宅やホテルに女性を連れ込んで飲食をしたところ意識を失い、目覚めてから気がつくと所持金がすべてなくなっていたなどというケースの報告がなされています。見知らぬ人物からの誘いには軽々しく応じないようにすることはもちろんのこと、初対面の人物には常に警戒心を持ち、安易に飲食などを共にすることはないよう注意してください。
正規のタクシーを装った白タクや料金メーターを改ざんしたタクシーを利用した詐欺が報告されています。
観光客が乗車すると、わざと遠回りをして高額な料金を請求されたり、事前に決めた料金とは異なる金額を求められたりすることがあります。信頼できるタクシー会社を利用するか、配車アプリを活用することをおすすめします。
首都であるハノイでは、観光名所が点在していますが、その中でも気をつけてほしいエリアが旧市街周辺です。
有名なホアンキエム湖周辺の旧市街は、ノスタルジックな街並みと活気あふれるベトナムの雰囲気が漂う人気の観光地です。豪華なホテルからゲストハウスまで観光客が多く宿泊するエリアでもあるため、周辺にはナイトスポットも数多くあります。その中でも、ハノイ最大のナイトスポットとして有名なのがタヒエン通りです。
昼間はバイクや車も通る静かな商店街ですが、夜になると歩行者天国になり、通りには簡易的なテーブルと椅子がずらりと並んだ飲み屋街に変化します。夕方から賑わいを見せはじめますが、夜遅くにかけてさらに人が増えだすため、21時以降は通り全体が混雑します。飲食店エリアでは客引きが多く、なかには半ば強引に椅子に座らせるなど悪質な客引きもいます。強引な勧誘やしつこい交渉をする場合には、はっきりと断ってその場を早めに離れるようにしましょう。

ベトナム最大の都市であるホーチミン市は、経済の中心地として発展しています。
街に出ると、絶え間なく走るバイクの流れ、高層ビルとローカル商店が混在する景色に圧倒されます。日本人街(レタントン地区、タイバンルン地区)を中心に、携帯電話、セカンドバッグなどを持って歩いている人を狙い、後方からバイクに乗った犯人が近づき、追い越しざまにひったくる事例が確認されています。特にこれらの地域において、夜間時間帯に屋外で携帯電話を使用する際等は、十分注意が必要です。
海沿いに面したリゾート地として有名なダナンは、人が密集した観光スポットが少ないため、ほかの都市と比べても治安が良い地域です。
しかし、気をつけてほしいスポットが、ハン川にかかるドラゴンブリッジ(ロン橋)です。ドラゴンをかたどっているため、全長666mの「世界最長の鋼鉄製ドラゴン」ということで、ギネスにも記録されるほどの迫力満点の巨大な建築物です。ドラゴンブリッジは夜になると毎日ライトアップされるため、夜景スポットとしても人気です。
ただし、ドラゴンブリッジはビーチ側とダナン市内をつなぐ橋ということもあって、昼夜問わず交通便が多い場所です。車よりバイクの交通量が多いベトナムでは、猛スピードで橋を通るバイクが多いので、無理に車道を渡ると接触事故の可能性があるので、注意が必要です。
さらにドラゴンブリッジでは、土日の夜にはドラゴンが火を吹くショーが開催されます。迫力のあるショーが無料で観覧できるので、観光客だけでなく、地元の人も押し寄せるほど人気となっています。ショーは21時に始まり、その時間帯は車両が一時通行止めとなります。橋の上は歩行者天国となりますが、その際に、人混みに紛れてスリや盗難の被害に遭いやすいので、貴重品やカバンの自己管理は徹底しましょう。
安全な一人旅の基本は、宿泊施設選びから始まります。
大きなホテルに宿泊してセキュリティがしっかりしている施設を選ぶことが重要です。ハノイ、ホーチミンのどちらか1都市に滞在する場合は、中心部の評価の高いホテルを選びましょう。ゲストハウスを利用する場合は、女性専用ドミトリーがある施設や、24時間フロント対応の施設を優先的に選ぶことをおすすめします。
夜間の一人歩きは、男女問わず避けるべきです。
繁華街エリアはにぎわっていますが、場所によっては事件に巻き込まれる可能性があります。夜の移動が必要な場合は、信頼できるタクシー会社や配車アプリ(GrabやGoVietなど)を利用しましょう。人通りの少ない道や暗い路地は絶対に避け、明るく人通りの多い道を選んで移動してください。

目立ちすぎない服装を心がけることが大切です。
高価なアクセサリーやブランド品は避け、現地に溶け込むようなカジュアルな服装を選びましょう。バッグは常に前掛けにし、ファスナーは必ず閉めておきます。貴重品は分散して持ち、大金は持ち歩かないようにしてください。スマートフォンを使用する際は、建物側で操作し、車道側では絶対に使わないようにしましょう。
万が一のトラブルに備えて、緊急連絡先を控えておきましょう。
警察:113、救急車:115、消防:114です。在ベトナム日本国大使館(ハノイ):+84-24-3846-3000、在ホーチミン日本国総領事館:+84-28-3933-3510、在ダナン日本国総領事館:+84-236-3555-535も必ず登録しておいてください。トラブルに遭った場合は、まず安全な場所に移動し、すぐに警察や大使館に連絡することが重要です。
出典
外務省「ベトナム安全対策基礎データ」
(2025年3月更新)より作成
ベトナムは東南アジアの中でも比較的治安が良く、女性の一人旅に適した国です。
ただし、どんなに治安が良い国でも、海外では常に警戒心を持つことが大切です。バイクによるひったくり、スリ、置き引きといった軽犯罪には十分注意し、夜間の一人歩きは避けましょう。宿泊施設は安全性を重視して選び、貴重品の管理を徹底してください。
ハノイの歴史的な旧市街、ホーチミンの活気あふれる街並み、ダナンのビーチリゾート。それぞれの都市が異なる魅力を持っています。事前にしっかりと情報収集を行い、適切な防犯対策を講じることで、ベトナムでの女性一人旅を安全に、そして心から楽しむことができるでしょう。
あなたのベトナム旅行が、安全で素晴らしい思い出に満ちたものになることを願っています。
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