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ベトナムへの旅で何を持ち帰るか。
お土産選びは、旅の記憶を日常に持ち帰る大切な時間です。ホーチミンの市場で感じた熱気、ハノイのカフェで味わったコーヒーの香り、ホイアンの路地で出会った手仕事の温もり。それらを形にして持ち帰るには、どこで何を選ぶかが重要になります。
ベトナムには、目的や予算に応じた多様な買い物スポットが存在します。スーパーで手軽に買えるばらまき土産から、専門店でじっくり選ぶこだわりの一品まで、選択肢は驚くほど豊富です。この記事では、ベトナムでお土産を買う場所を目的別に整理し、それぞれの特徴と品揃え、価格帯を比較しながら、効率的な買い物ルートまでご紹介します。
まず押さえておきたいのがスーパーマーケットです。
ベトナムのスーパーは、観光客にとって最も利用しやすいお土産購入スポットの一つです。冷房完備で清潔、価格表示も明確なため、初めての旅行者でも安心して買い物ができます。ホーチミンならロッテマートやVincom、ハノイでも同様の大型スーパーが各地に展開されており、アクセスも良好です。

スーパーで買えるお土産の代表格は、やはりコーヒーです。Trung NguyenやKing Coffeeといった有名ブランドのインスタントコーヒーは、2in1(コーヒー+砂糖)や3in1(コーヒー+砂糖+ミルク)など種類も豊富で、価格も手頃。ドリップバッグや粉タイプも充実しており、用途に応じて選べます。お茶のコーナーでは、蓮茶やジャスミン茶などのティーバッグが並び、VinaTeaやPhuc Longといったブランドも見つかります。
食品系のばらまき土産も充実しています。インスタント麺はエースコックのHaoHaoやChin-Suなど、ベトナムならではのフレーバーが楽しめる商品が豊富です。ライスペーパー(春巻きの皮)は驚くほど安価で、日本でも人気のアレンジ料理に使えるため喜ばれます。ドライフルーツはマンゴー、パイナップル、ドラゴンフルーツなど南国らしいラインナップが揃い、ナッツ類やカシューナッツのお菓子も質が良く手頃な価格で手に入ります。
スーパーの最大のメリットは、一度に多様な商品を比較しながら選べる点です。価格が明示されているため、予算管理もしやすく、まとめ買いにも適しています。冷房が効いた快適な環境で、ゆっくり吟味できるのも魅力です。
一方で、デメリットもあります。スーパーで扱う商品は大量生産品が中心で、手仕事の雑貨や一点物のアイテムは見つかりにくいです。また、観光地の専門店に比べると、パッケージのデザイン性や特別感は控えめな傾向があります。
ベトナムらしさを存分に味わいたいなら、市場は外せません。
ホーチミンのベンタイン市場、ハノイのドンスアン市場、ホイアンのナイトマーケットなど、各都市には観光客にも人気の市場があります。市場は活気に満ちており、地元の人々の生活が垣間見える場所でもあります。色とりどりの果物や野菜、スパイス、衣類、そして観光客向けのお土産まで、何でも揃っている雑多な雰囲気が魅力です。

市場で見つかるお土産は、手仕事の雑貨が中心です。竹やラタンを使ったかご、素朴な陶器、刺繍入りのポーチや巾着、布製のバッグなどは、一つひとつ表情が異なり、それが一点物としての価値になります。日本の部屋に置いても主張しすぎず、ふとした瞬間に旅の記憶を呼び起こしてくれる存在です。
食品系では、ドライフルーツやナッツ類が量り売りで購入できます。市場では砂糖控えめのドライフルーツや、カシューナッツ、マカダミアナッツ、アーモンドなどが新鮮な状態で手に入ります。胡椒やチリなどのスパイスも軽くて持ち帰りやすく、料理好きな人へのお土産として重宝します。
市場での買い物には、いくつかのコツがあります。まず、価格交渉が基本です。最初に提示される価格は観光客向けの高めの設定が多いため、笑顔で交渉することで2割から3割程度は値下げできることがあります。複数の店を見て回り、相場感を掴んでから購入するのも賢い方法です。
また、市場は午前中の早い時間帯が狙い目です。商品が新鮮で、店主も元気な時間帯のほうが、良い買い物ができる可能性が高まります。現金を小額紙幣で用意しておくと、支払いがスムーズです。
特別な人へのお土産や、自分へのご褒美には専門店がおすすめです。
ベトナムには、コーヒー、お茶、チョコレート、雑貨など、それぞれの分野に特化した専門店が数多く存在します。これらの店では、品質にこだわった商品が揃い、パッケージも洗練されているため、ギフトとしての価値が高まります。

コーヒー専門店では、Trung NguyenやKing Coffeeの直営店があり、スーパーでは見かけない限定商品や高級ラインも手に入ります。店員に相談しながら、好みの焙煎度合いや風味を選べるのも専門店ならではの楽しみです。アルミ製のベトナムコーヒーフィルターも一緒に購入すれば、自宅で本格的なベトナムコーヒーを再現できます。
お茶の専門店では、VinaTeaやPhuc Longが有名です。特にPhuc Longは、カフェも併設している店舗が多く、実際に味を確かめてから購入できるのが魅力です。蓮茶は茶葉に蓮の花の香りを移したもので、やさしく上品な香りが特徴。ジャスミン茶や緑茶など、伝統的なお茶も豊富に揃っています。
チョコレート専門店も見逃せません。ダナン発のPhevaや、シングルオリジンチョコレートの先駆者MAROUは、ベトナム産カカオだけを使用した高品質なチョコレートを提供しています。フレーバーは黒コショウ、オレンジピール、クリスピーライスなどベトナム色満載で、パッケージも洗練されており、特別なギフトに最適です。
専門店の商品は、品質と物語性を兼ね備えています。生産者のこだわりや、素材の背景、製法の特徴などを店員から直接聞けるため、お土産に深みが増します。価格はスーパーや市場より高めですが、その分、受け取った人の記憶に残りやすい特別感があります。
時間がない、買い忘れた、という時の救世主が空港です。
ベトナムの主要空港には、お土産ショップが充実しています。ホーチミンのタンソンニャット国際空港、ハノイのノイバイ国際空港、ダナンのダナン国際空港など、どの空港にも観光客向けのお土産コーナーがあり、コーヒー、お茶、チョコレート、雑貨など、定番商品が一通り揃っています。
空港の利点は、出国手続き後でも購入できる点です。荷物の重量を気にせず、最後の最後まで買い物を楽しめます。また、免税店では酒類やタバコも購入でき、価格も市内より安い場合があります。パッケージも観光客向けに整えられており、ギフトとしての体裁も整っています。

空港での買い物は便利ですが、価格は市内より高めに設定されていることが多いです。また、品揃えは定番商品が中心で、市場や専門店で見つかるような個性的な商品は少なめです。時間に余裕があるなら、市内で購入するほうがコストパフォーマンスは良いでしょう。
ただし、ベトナムコーヒーやチョコレートなど、ある程度ブランドが確立された商品は、空港でも品質に問題はありません。買い忘れた定番土産を補充する場所として、上手に活用するのが賢い使い方です。
効率的にお土産を揃えるには、計画的なルートが重要です。
ホーチミンでは、ドンコイ通り周辺が買い物の中心地です。この通りには、専門店やセレクトショップが集まっており、洗練されたお土産を探すのに最適です。ベンタイン市場も徒歩圏内にあり、ローカルな雑貨や食品を一気に見て回れます。
スーパーマーケットなら、ロッテマートやVincomが便利です。これらは市内各所にあり、ばらまき土産をまとめ買いするのに適しています。時間があれば、ビンタイ市場にも足を延ばしてみてください。こちらは地元の人向けの市場で、よりローカルな雰囲気が味わえます。
ハノイでは、旧市街が買い物の起点になります。狭い路地に歴史ある建物が密集し、通りには地元の商店や露天が軒を連ねています。ドンスアン市場も旧市街にあり、雑貨や食品を幅広く扱っています。
専門店を巡るなら、ホアンキエム湖周辺がおすすめです。カフェや茶葉店、雑貨店が点在しており、ゆっくり散策しながら買い物を楽しめます。スーパーマーケットは、Vincomなどのショッピングモール内にあり、冷房完備で快適に買い物ができます。
ベトナムでのお土産選びは、どこで何を買うかによって体験が大きく変わります。
スーパーマーケットは手軽さと品揃えを両立し、ばらまき土産に最適です。市場はローカルな空気と交渉の楽しさがあり、手仕事の雑貨を探すのに向いています。専門店はこだわりの一品を求める人に最適で、品質と物語性を兼ね備えた商品が手に入ります。空港は最後の駆け込み購入スポットとして便利ですが、価格は高めです。
それぞれの場所の特徴を理解し、目的や予算に応じて使い分けることで、効率的に満足度の高いお土産を揃えられます。ベトナムのお土産は、旅を終わらせるための記念品ではなく、日常の中に旅の気配を残し続けるためのものです。コーヒーを淹れる数分間、お茶を一杯飲む時間、棚に置いた雑貨に目が留まる瞬間。その一つひとつが、旅を思い出させる小さなきっかけになります。
何を選ぶかに正解はありません。自分がどんな時間をベトナムで過ごしたかを思い返しながら手に取ることが、そのまま一番のお土産になります。
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