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ベトナムのテト。
この言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。テトとは、ベトナムにおける旧正月のことで、ベトナム人にとって一年で最も重要な祝祭日です。新暦の1月1日よりもはるかに盛大に祝われ、国全体が祝賀ムードに包まれます。
2026年のテトは2月17日(火)です。旧暦に基づいているため、毎年日付が変わるのが特徴です。テトの連休は政府が発表し、2026年は2月14日(土)から2月22日(日)までの9連休となります。この期間、多くのベトナム人が故郷に帰省し、家族と新年を祝います。
テトはベトナム文化の核心に触れられる貴重な機会です。しかし、旅行者にとっては注意が必要な時期でもあります。多くの店舗が休業し、交通機関が混雑し、物価も上昇します。この時期にベトナムを訪れる際は、事前の準備と理解が欠かせません。

テト期間中、個人経営のレストランやショップの多くが休業します。
特に正月三が日は、大型ショッピングセンターでさえ閉まることがあります。政府関連施設や博物館、市場なども休館となるため、観光には大きな影響が出ます。ベンタイン市場のような主要観光スポットも閉鎖されることがあるため、事前に営業状況を確認することが重要です。
テト前後は、帰省ラッシュで交通機関が大混雑します。バスや列車のチケットは2〜3週間前から完売状態になることも珍しくありません。ハノイやホーチミンなどの大都市では、特に大晦日から元旦にかけて、主要道路で大渋滞が発生します。ホアンキエム湖周辺やグエンフエ通りなどは、バイクや車で身動きが取れなくなることもあります。
移動には時間に余裕を持つか、徒歩での散策を検討するのが賢明です。
テト期間中は、法律でベトナム人の給料を3倍にすることが定められているため、それに伴って物価も上昇します。レストランやショップの料金、交通費も通常より高くなります。例えば、ホーチミンからハノイ行きのバスは、通常の約2倍の料金になることもあります。ホテルも混雑し、料金が上がるため、現地でホテルを探す場合は特に注意が必要です。

テト期間中の最大の見どころは、フラワーロードです!
ホーチミンのグエンフエ通り、ハノイのホアンキエム湖周辺、ダナンのバクダン通りなど、主要都市では色とりどりの花で飾られた通りが出現します。特にグエンフエ通りは、人民委員会庁舎からサイゴン川まで続く一本道が、鮮やかな花で埋め尽くされます。夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しめます。
地元のベトナム人も多く訪れるため、活気ある雰囲気を体験できます。屋台や露店も並び、記念撮影をする人々で賑わいます。フードアートと呼ばれる、食材を使った芸術作品も展示され、高級ホテルのシェフによる見事な作品を鑑賞できます。
元旦には、太鼓や銅鑼の音が街に響き渡ります。「ムアラン(麒麟舞)」という伝統行事では、黄色い衣装の少年たちが楽器を鳴らしながら民家を回り、一年の幸せを祈願します。この光景は、テトならではの文化体験です。
寺院では初詣に訪れるベトナム人で大変混雑します。ハノイのホーチミン廟なども多くの参拝者で賑わいます。ベトナムの信仰文化に触れる貴重な機会となるでしょう。
テトには特別な料理があります。バインチュンは、日本のちまきに似た伝統料理で、もち米と豚肉、緑豆を葉で包んで蒸したものです。家族全員で祖父母の家を訪問し、バインチュンを食べながら新年を祝うのが習慣です。
他にも、ジョールア(ベトナム風ソーセージ)やムット(砂糖漬けの果物)など、縁起の良い食べ物が食卓に並びます。これらの料理は、テト期間中に営業しているレストランや市場で味わえることがあります。

テト期間中に最もおすすめなのが、現地ツアーへの参加です。
ベトナムはインフラ整備が不十分なため、市外や郊外エリアを観光する場合、電車が使えず、原則ツアー参加が必須となります。ツアーであれば、旅行会社とガイド、現地観光スポットが協力しているため、店が閉まっていたり、交通手段が欠航していたりといったトラブルを避けられます。
ただし、旅行会社によってはガイドが帰省するため、テト期間中を休業しているところもあります。事前に確認しておくと安心です。
ベトナムはホテル宿泊料が比較的安いため、少ない予算で5つ星ホテルに滞在できます。テト期間中は外出が不便なこともあるため、ホテルライフを満喫するのも一つの選択肢です。
5つ星ホテルでは、24時間ルームサービス、屋外プール、フィットネスジム、ナイトバー、スパ、朝食ビュッフェなど、充実した設備が揃っています。ホテル内で快適に過ごしながら、テトの雰囲気を楽しむことができます。
テト期間中は、ベトナム中部の観光がおすすめです。ダナン周辺には、フエの歴史的建造物群、ホイアン旧市街、ミーソン遺跡といった世界文化遺産があります。これらは景観地であるため、テト期間中も休まず営業しています。
ハロン湾やニンビン省、サパなどの自然風景も、テトやコロナの影響を受けず、いつも通りの絶景を楽しめます。ホイアンやフエなどの大きな観光地では、ほとんどの店が開店しているため、この時期には思い切って郊外の観光地に行くのが賢明です。

テト期間中にベトナムを訪れる場合、事前予約が不可欠です。ホテル、航空券、ツアーはすべて早めに予約しましょう。特にホテルは混雑し、料金も上がるため、現地で探すのは避けるべきです。
バスや列車のチケットも、2〜3週間前には完売することが多いため、国内移動を計画している場合は、できるだけ早く手配することをおすすめします。
訪れたい観光施設やレストランの営業状況を、事前に確認しておきましょう。公式ウェブサイトやSNS、旅行会社を通じて情報を集めることが大切です。特に正月三が日は、多くの施設が休業するため、計画を柔軟に調整できるようにしておくと良いでしょう。
人々でごった返す場所では、スリやひったくりに十分注意してください。大金や貴重品は持ち歩かず、バッグはしっかりと脇で抱えましょう。リュックやウエストポーチは、気づかないうちにファスナーを開けられることがあるため、極力避けるのが賢明です。
テト期間中は、日本の領事館や大使館も休館します。2026年は1月20日から25日まで閉館となる可能性があるため、パスポートの紛失など緊急時の対応が遅れることがあります。パスポートのコピーを別に保管するなど、万が一に備えておくことが重要です。
ベトナムのテトは、一年で最も重要な祝祭日です。
この時期にベトナムを訪れると、普段とは違う特別な雰囲気を体験できます。フラワーロード、伝統行事、特別な料理など、テトならではの魅力が溢れています。一方で、店舗の休業、交通機関の混雑、物価の上昇など、旅行者にとっては不便な面もあります。
事前の準備と柔軟な計画が、テト期間中のベトナム旅行を成功させる鍵です。現地ツアーへの参加、5つ星ホテルでの滞在、中部の観光地訪問など、状況に応じた選択肢を検討しましょう。営業状況の確認、早めの予約、防犯対策も忘れずに。
テトは、ベトナムの文化と人々の温かさに触れられる貴重な機会です。予定通りにいかないこともあるかもしれませんが、その経験こそが旅の思い出となります。ベトナムのテトを、心から楽しんでください!
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