FEATURE
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ベトナムを訪れる旅行者にとって、現地の料理教室は単なる観光以上の価値を持つ体験です。
街を歩けば、フォーやバインミーの香りが漂い、路地裏の食堂では地元の人々が食事を楽しんでいます。そんな日常の一部に自分も参加できるのが料理教室の魅力です。レストランで食べるだけでは分からない、食材の選び方や調理の工夫、味付けの秘密を直接学べます。
特にホーチミン、ハノイ、ホイアンといった主要都市では、観光客向けの料理教室が充実しており、英語対応のクラスも豊富です。市場ツアーが含まれるコースでは、地元の人々が日常的に使う食材を見て回り、ベトナムの食文化をより深く理解できます。

ホーチミン市は経済の中心地であり、料理教室の選択肢も豊富です。
サイゴン・クッキング・クラスは2009年から運営されており、プロのシェフが英語で丁寧に指導してくれます。午前クラスでは市場ツアーがオプションで選べ、ベンタイン市場の迷路のような通路を歩きながら新鮮な食材を見て回れます。午後クラスではフォーやバインミー、生春巻き、豚肉のキャラメル煮など、ベトナムを代表する料理に焦点を当てています。
M.O.M Cookingは、ホーチミン中心部にある美しいキッチンスタジオで、ユニークな調理器具を備えています。10名の生徒に対してインストラクターとアシスタントが細部まで丁寧に指導する少人数制が特徴です。伝統的な炭火焼きで牛肉の香草焼きを作ったり、バインセオ(ベトナム風お好み焼き)を美しい野菜とハーブを添えて仕上げたりと、5つの代表的な料理を学べます。
生春巻きは初心者でも挑戦しやすい一品。ライスペーパーの扱い方から、具材の巻き方まで丁寧に教えてもらえます。バインセオは見た目以上に奥が深く、生地の薄さや焼き加減がポイントです。
フォーは牛骨から時間をかけて出汁を取る本格的な作り方を体験できます。豚肉のキャラメル煮は甘辛い味付けが特徴で、ご飯との相性が抜群です。デザートにはココナッツバナナなど、南国らしい甘味も学べます。
多くの料理教室はオンラインで予約可能です。Klookなどの予約サイトを利用すると、日本語で簡単に予約できて便利です。料金は教室やコース内容によって異なりますが、市場ツアー付きの半日コースで3,000円から5,000円程度が相場です。
少人数制のプライベートクラスや、特別なメニューを学べるコースはやや高めの設定になっています。事前に予約サイトで口コミを確認すると、自分に合った教室を見つけやすくなります。

ハノイは政治と文化の中心であり、料理にも独自の特徴があります。
北部の料理は南部に比べて味付けが控えめで、素材の味を活かした調理法が特徴です。ハノイの料理教室では、フォー、ブンチャー、揚げ春巻きといった北部を代表する料理を学べます。シクロ乗車体験や市場散策が含まれるコースもあり、旧市街の雰囲気を楽しみながら食材を購入できます。
日本語ガイドが同行するツアーでは、細かい調理方法も母国語で理解できるため安心です。フォーは牛骨の状態からお湯で煮るところから始まり、さまざまなスパイスを入れて時間をかけて作ります。この工程を体験すると、フォーがどれだけ手間をかけて作られているかを実感できます。
ブンチャーは炭火で焼いた豚肉を甘酸っぱいタレにつけて食べる料理で、ハノイの名物です。作り方は意外とシンプルで、家でも再現しやすいのが嬉しいポイント。揚げ春巻きは、具材の下ごしらえから揚げ方まで丁寧に教えてもらえます。
バナナの花のサラダは、日本ではなかなか手に入らない食材を使った一品です。バナナの花の下処理方法や、ハーブとの組み合わせ方を学べるのは貴重な経験です。
料理教室の前に市場を訪れると、地元の人々の日常を垣間見ることができます。野菜や肉、魚が並ぶ市場は活気に満ち、ベトナムの食文化の豊かさを感じられる場所です。シクロに乗って旧市街を巡る体験は、ハノイならではの楽しみ方です。
細い通りを抜けながら、何世代も続く商いの営みを眺めていると、この街の歴史の積み重なりを肌で感じられます。
中部のホイアンとダナンは、リゾート地としても人気のエリアです。
ホイアンの旧市街は世界遺産に登録されており、夜になるとランタンの灯りが街を包みます。この情緒ある街で料理教室に参加すると、観光と文化体験を同時に楽しめます。ホイアンの料理は中部独特の味付けが特徴で、辛さと酸味のバランスが絶妙です。
ダナンは近年急速に発展したビーチリゾートで、都市的な便利さと自然の近さが共存しています。料理教室も観光客向けに整備されており、英語対応のクラスが充実しています。ミーケービーチに近い教室では、新鮮なシーフードを使った料理を学べることもあります。
ホイアン名物のカオラウは、独特の麺料理で他の地域では食べられません。この麺の作り方を学べる教室もあり、地域の食文化を深く理解できます。ダナンではミークアンという麺料理が有名で、濃厚なスープと多彩な具材が特徴です。
中部の料理は、フエの宮廷料理の影響も受けており、見た目の美しさにもこだわりがあります。盛り付けの工夫や、ハーブの使い方など、細かいテクニックを学べるのも魅力です。

自分に合った料理教室を選ぶには、いくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。
まず、言語対応を確認することが大切です。英語が話せる方は選択肢が広がりますが、日本語ガイド付きのツアーを選ぶとより安心です。少人数制のクラスは、一人ひとりに丁寧な指導が受けられるメリットがあります。
市場ツアーが含まれているかどうかも重要なポイントです。市場での買い物体験は、ベトナムの日常を知る貴重な機会になります。料理教室の立地も確認しておきましょう。ホテルからの送迎サービスがあると、移動の心配がなく便利です。
コースの所要時間は半日から一日まで様々です。旅行のスケジュールに合わせて選びましょう。料金に含まれる内容も事前に確認が必要です。食材費、レシピカード、修了証などが含まれているか確認すると良いでしょう。
アレルギーや食事制限がある場合は、予約時に必ず伝えておくことをおすすめします。多くの教室では柔軟に対応してくれます。
エプロンは教室で貸し出してくれることが多いですが、念のため確認しておくと安心です。動きやすい服装で参加し、髪が長い方は結んでおくと調理しやすくなります。カメラやスマートフォンを持参すると、調理過程を記録できて後で役立ちます。
メモを取りたい方は、ノートとペンを持参すると良いでしょう。ただし、多くの教室ではレシピカードを配布してくれます。
料理教室は単に料理を学ぶだけでなく、文化交流の場でもあります。
積極的に質問することで、より深い学びが得られます。調味料の代用品や、日本で手に入る食材での作り方など、帰国後に役立つ情報を聞いてみましょう。他の参加者との交流も楽しみの一つです。さまざまな国から来た人々と一緒に料理を作る経験は、旅の思い出を豊かにしてくれます。
作った料理はその場で試食できます。自分で作った料理の味は格別で、レストランで食べるのとはまた違った満足感があります。写真撮影も忘れずに。完成した料理や調理過程の写真は、帰国後に見返すと楽しい思い出になります。
教室で学んだレシピを家で再現してみましょう。日本で手に入る食材で工夫しながら作ると、旅の記憶が蘇ります。ベトナム食材店やアジア食材店を探しておくと、本格的な味を再現しやすくなります。
友人や家族に振る舞うと、旅の体験を共有できて会話も弾みます。料理を通じて、ベトナムの文化や旅の思い出を伝えられるのは素敵なことです。

ベトナムの料理教室は、単なる観光アクティビティを超えた価値があります。
ホーチミンでは活気あふれる市場と本格的な南部料理を、ハノイでは歴史ある旧市街と繊細な北部料理を、ホイアンやダナンでは世界遺産の街並みと中部独特の味を体験できます。それぞれの都市で異なる魅力があり、どこで参加しても忘れられない思い出になるでしょう。
料理を通じて、ベトナムの人々の暮らしや文化に触れられるのが最大の魅力です。市場での買い物、食材の選び方、調理の工夫、味付けの秘密。これらを学ぶことで、ベトナムという国への理解が深まります。
帰国後も自宅でベトナム料理を作れるようになり、旅の思い出を何度でも味わえます。友人や家族に振る舞えば、旅の体験を共有する素敵な機会にもなります。次のベトナム旅行では、ぜひ料理教室に参加して、本場の味と文化を体験してみてください。きっと、あなたの旅をより豊かなものにしてくれるはずです。
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