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The Coffee House完全ガイド|注文・活用術

ベトナムのカフェ文化を語るうえで、いま最も注目すべきチェーンがあります。その名はThe Coffee House(ザ・コーヒーハウス)。ホーチミンの路地裏から始まったこのカフェは、わずか10年で全国15都市に約93店舗を展開するまでに成長しました。「ただコーヒーを飲む場所」ではなく、「人が集い、つながる居場所」を目指したその空間は、旅先での休憩にも、ちょっとした仕事にも、そして現地の空気を肌で感じるにも最適です。本記事では、日本人観光客の視点からThe Coffee Houseの魅力を徹底的にご紹介します。

1. ペプシのエリートが作った「居場所」としてのカフェ

The Coffee Houseの物語は、一人の青年の決断から始まります。創業者のNguyen Hai Ninh(グエン・ハイ・ニン)氏は、ホーチミン工科大学の化学科を卒業後、世界的飲料メーカーPepsiCoの管理職候補として将来を約束されたキャリアを歩んでいました。しかし、彼はその安定した道をあえて手放します。

2011年、ニン氏はまずUrban Station(アーバンステーション)というカフェチェーンを立ち上げます。このとき培ったノウハウと経験を土台に、2014年、ホーチミンで新たなブランド「The Coffee House」を誕生させました。彼が掲げたコンセプトは「コミュニティコーヒー」。単にコーヒーを提供するのではなく、人々が仕事をし、友人と語り合い、新たなつながりを生む場所をつくること。それがニン氏の描いたビジョンでした。

この理念は、店舗の設計にも色濃く反映されています。広々としたテーブル配置、長居しても気まずくならないゆったりとした空気感、そして後述する充実のWi-Fi環境。日本のスターバックスが「サードプレイス(第三の場所)」を掲げたのと似ていますが、The Coffee Houseはさらに一歩踏み込み、ベトナムの人々の日常に溶け込む「みんなのリビングルーム」を実現しています。

2024年には、ベトナムの大手外食グループGolden Gateに買収され、経営体制が大きく変わりました。かつて150店舗以上あった店舗数は約93店舗に絞り込まれましたが、これは「量より質」への転換とも言えます。各店舗のサービス品質が底上げされ、観光客にとってはどの店舗に入っても安定したクオリティを期待できる環境が整いつつあります。

2. これだけは外せない!おすすめメニュー

The Coffee Houseのメニューは、伝統的なベトナムコーヒーからオリジナルの創作ドリンクまで幅広くラインナップされています。初めて訪れる日本人観光客のために、特におすすめの3カテゴリーをご紹介します。

① 新感覚:CloudFee シリーズ

The Coffee Houseを訪れたら、まず試してほしいのがCloudFee(クラウドフィー)シリーズ。名前の通り「雲のようにふわふわ」な口当たりが特徴の、このチェーンを代表するオリジナルドリンクです。

一番人気はCloudFee クリームブリュレ。濃厚なベトナムコーヒーの上に、まるでデザートのようなクリームブリュレ風味のフォームがたっぷり乗っています。甘さと苦さの絶妙なバランスが、一口飲んだ瞬間に「これはただのコーヒーじゃない」と実感させてくれます。

もうひとつのおすすめはCloudFee クリーミー ローストアーモンド。ローストしたアーモンドの香ばしさがコーヒーのコクと調和し、デザート感覚で楽しめる一杯です。価格は39,000 VND(約240円)と、日本のカフェチェーンと比べると驚くほどリーズナブル。旅の疲れを癒す一杯として、ぜひお試しください。

② お茶派に:CloudTea シリーズ

「コーヒーよりお茶のほうが好き」という方には、CloudTea(クラウドティー)シリーズがぴったりです。なかでも注目はチーズティー。台湾発祥のトレンドドリンクがベトナム流にアレンジされており、塩気のあるチーズフォームと爽やかな冷茶の組み合わせが絶品です。

さらに、フルーツティーもThe Coffee Houseの得意分野。価格帯は45,000〜60,000 VND(約280〜370円)。トロピカルフルーツがごろごろと入った鮮やかなドリンクは、ベトナムの暑さのなかで飲むとまさに至福のひとときです。パッションフルーツやライチなど、日本ではなかなか味わえない南国のフレーバーを楽しみましょう。

③ 王道:ベトナム式フィンコーヒー

ベトナムに来たからには、やはりベトナムコーヒーを味わいたいもの。The Coffee Houseでは、伝統的なフィンドリッパーで淹れるPhin Sữa Đá(フィン・スア・ダー)がおすすめです。コンデンスミルクの甘さとロブスタ種特有の力強いコクが混ざり合い、日本のコーヒーとはまったく別物の体験が待っています。

価格は29,000〜39,000 VND(約180〜240円)。街の屋台コーヒーよりはやや高めですが、エアコンの効いた快適な店内で、清潔なグラスで楽しめることを考えれば十分にお値打ちです。初めてベトナムコーヒーを試す方にとって、The Coffee Houseは最適な「入門の一杯」を提供してくれる場所と言えるでしょう。

3. ノマドワーカー天国:Wi-Fiと空間の魅力

旅先でのカフェ選びにおいて、Wi-Fi環境は見逃せないポイントです。The Coffee Houseは、この点で群を抜いた実力を持っています。

まず、Wi-Fiは全店舗で無料。パスワードはレシートに記載されているか、店員に尋ねればすぐに教えてもらえます。速度は下り約56Mbps、上り約87Mbpsと、日本の一般的なカフェWi-Fiと比較しても遜色ないレベルです。動画通話やクラウドへのファイルアップロードもストレスなくこなせるため、旅行中にちょっとした仕事を片付けたいビジネスパーソンにとっても心強い味方です。

さらに、電源コンセントが各席に完備されている店舗が大半です。スマートフォンやノートパソコンのバッテリー残量を気にせず、思う存分くつろげます。観光で歩き回って消耗したスマホを充電しながら、次の行き先を調べる——そんな使い方にも最適です。

店内の空間設計も秀逸です。天井が高く開放感のある店舗が多く、大きな窓から自然光が差し込む設計は、長時間滞在しても閉塞感を感じさせません。ベトナムの喧騒から一歩足を踏み入れれば、そこは穏やかなBGMが流れる静かな空間。旅の途中で「ちょっと一息」が、気づけば2〜3時間になっていた、というのはThe Coffee House「あるある」です。

4. 日本人観光客のための実践ガイド

ここからは、実際にThe Coffee Houseを利用する際に役立つ情報をまとめます。

【アクセスしやすい店舗】

ホーチミン市内では、観光の中心地に複数店舗があります。31 Le Duan(レ・ズアン通り)の店舗は統一会堂(旧大統領官邸)のすぐ近く。観光の合間に立ち寄るのに絶好のロケーションです。バックパッカー街として有名なファングーラオ通りにも159 Pham Ngu Laoに店舗があり、ブイビエン通りの喧騒から逃れて一息つくのにうってつけです。

ハノイでは166 Lo Duc(ロー・ドゥック通り)などに店舗があります。旧市街観光の途中や、ホアンキエム湖周辺を散策した後に訪れてみてください。

【専用アプリの活用】

The Coffee Houseには専用のモバイルアプリがあります。アプリを使えば事前注文が可能で、店舗での待ち時間を大幅に短縮できます。さらに注文ごとにポイントが貯まり、貯まったポイントはクーポンとして次回以降の注文に使えます。滞在中に何度か利用する予定があるなら、ダウンロードしておいて損はありません。

デリバリーサービスも充実しており、注文から約30分で届きます。ホテルでゆっくりしたい朝や、観光で疲れた夜にも、本格的なベトナムコーヒーを部屋まで届けてもらえるのは嬉しいサービスです。

【注文のコツ】

メニューはベトナム語と英語の併記なので、ベトナム語がわからなくても安心です。レジでの注文時は、メニュー表の写真を指差しながら「This one, please(ディス・ワン・プリーズ)」でまず通じます。氷の量や甘さを調整したい場合は「Less ice(レス・アイス)」「Less sugar(レス・シュガー)」と伝えましょう。

支払いは現金のほか、クレジットカード(Visa/Mastercard)に対応している店舗も増えています。ただし、ローカルのカフェ全般に言えることですが、少額の現金も念のため持っておくと安心です。

【価格の目安】

The Coffee Houseの価格帯をまとめると、以下のようになります(1円=約160 VNDで換算)。

  • ベトナムコーヒー(Phin Sữa Đá):29,000〜39,000 VND(約180〜240円)
  • CloudFee シリーズ:39,000 VND〜(約240円〜)
  • フルーツティー:45,000〜60,000 VND(約280〜370円)

日本の大手カフェチェーンのドリンクが400〜600円程度であることを考えると、およそ半額以下で本格的なドリンクが楽しめる計算です。浮いたお金でもう一杯——そんな贅沢が気軽にできるのも、ベトナム旅行の醍醐味です。

5. まとめ

The Coffee Houseは、単なるカフェチェーン以上の存在です。ペプシのエリート街道を捨てた創業者が掲げた「コミュニティコーヒー」という理念は、10年の時を経て、ベトナム全土15都市に根付きました。ふわふわのCloudFeeシリーズで新感覚のコーヒー体験を味わうもよし、伝統的なフィンコーヒーでベトナムの味に浸るもよし。無料の高速Wi-Fiとコンセント完備の空間で旅の作戦会議を開くもよし。

ベトナム旅行でカフェ選びに迷ったら、まずThe Coffee Houseの緑色の看板を探してみてください。エアコンの効いた快適な店内に一歩入れば、ベトナムのカフェ文化の「いま」を、一杯のコーヒーとともに体感できるはずです。

ベトナムの活気ともに事業を伸ばしていく。
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小島 怜

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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