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コラム

ロブスタ種の特徴とは ベトナムコーヒーは苦いだけ?のコーヒーなのか

「ロブスタ種」という品種を聞いたことがあるでしょうか。アラビカ種なら聞いたことがあるけれど、ロブスタ種はちょっと……という方もいるかもしれません。

実はベトナムは世界第2位のコーヒー生産国であり、特にロブスタ種の生産では世界トップを誇っています。(引用:米国農務省「Coffee:World Markets and Trade」December 2025)

ただし、ロブスタ種と聞くと「苦い」「低品質」という評価を目にすることもあり、アラビカ種と比べて敬遠されがちな面もあるようです。

今回はベトナムが世界に誇るロブスタ種の特徴と魅力、その楽しみ方をご紹介します。これを読んで、ロブスタ種の新たな一面を知っていきましょう。

ロブスタ種の特徴と魅力

アラビカ種ロブスタ種
主な産地・ブラジル
・コロンビア
・ベトナム(ロブスタ最大の生産国)
・インドネシア、インド、ウガンダ、ナイジェリア など
カフェイン含有量約1.2〜1.5%と少なめ約2.5〜4.5%と高い
味わいの特徴バランスが良く、繊細強い苦みと深いコク
おすすめの飲み方・フレンチプレスやハンドドリップ
・カフェラテやアイスコーヒー
・ラテやカプチーノ
・練乳やココナッツミルクと合わせた伝統的なベトナムコーヒー

ロブスタ種は、コーヒーの主要品種のひとつです。その名前は英語の”robust”(強健な)に由来しており、病気や害虫に強く、高温多湿の気候にも適応しやすいのが特徴です。アラビカ種の栽培に適さない地域でも育てられることから、世界中の生産農家に重宝されています。

味わいの面

ロブスタ種の味わいを表す表現として以下があります。

  • アーシー(土のような深み)
  • スモーキー(燻したような香り)
  • ビター(ほろ苦さ)

アラビカ種と比べて濃厚で苦みがあり、チョコレートやナッツを感じさせる味わいがあります。ガツンとくる濃厚で深い味わいはエネルギーをチャージしたいときにおすすめです。

カフェイン含有量

アラビカ種の約2倍にあたる2.5〜4.5%と高いのが特徴です。

ロブスタ種の飲み方

練乳入りコーヒー(カフェスア)
エッグコーヒー(カフェチュン)
ベトナムコーヒーの種類特徴
ブラックコーヒー
Ca phe den(カフェデン)
「フィン」とよばれる金属製のドリッパーを使用したブラックコーヒー
練乳入りコーヒー
Ca phe sua(カフェスア)
コンデンスミルク入りコーヒー
ミルク入りコーヒー
Bac Xiu(バクシウ)
ベトナム版アイスラテで、カフェスアと似ているが、バクシウの方がミルクの量が多い
ココナッツコーヒー
Ca phe dua(カフェズア)
濃いめのコーヒーにココナッツミルク、コンデンスミルクをミックスしたもの
エッグコーヒー
Ca phe trung(カフェチュン)
卵の黄身と砂糖のフォームがのったコーヒー
ソルトコーヒー
Ca phe muoi(カフェ ムォイ)
アイスラテのミルクの層に塩を加えたもの。コーヒーと塩気が意外にも合う

ベトナムではロブスタ種を使ったさまざまなアレンジが楽しめます。

ロブスタ種を「フィン」と呼ばれる専用のフィルターで抽出したブラックコーヒー(カフェデン、Ca phe den)は、非常に苦みが強く、ベトナム在住の日本人の間でも飲んでいるのはあまり多くない印象です。ただし氷や練乳、ミルクと合わせると飲みやすく、夏でもゴクゴク飲める清涼感があります。

一方、日本はベトナムコーヒーの輸入量が世界第2位でありながら、ロブスタ種の知名度はあまり高くありません。

その背景には、苦みの強いロブスタ種がストレートで飲まれることは少なく、長らくインスタントコーヒーや缶コーヒーといった加工品の原料として使われてきた歴史があります。

コーヒーの裏方として使用されてきたため、日本ではベトナムがコーヒーの一大産地であることが、まだあまり知られていないのかもしれません。

ベトナムがロブスタ種の名産国である理由と最近のトレンド

ロブスタ豆とアラビカ豆の比較

ベトナムはロブスタ種の名産地で、特に高原地域での生産が盛んです。また「安い」「低品質」という評価を受けやすいロブスタ種が、サステナビリティの気運が高まるなかその評価が見直されています。

ベトナムでのロブスタ種栽培の歴史

ベトナムでのコーヒー栽培は、当時ベトナムを植民地支配していたフランスによって、1850年頃から北部で栽培が始まりました。
1975年頃にベトナム政府主導の大規模なプランテーションが開始され、約20年でベトナムのコーヒー生産量は世界第2位になるまでに成長しました。

栽培の難しいアラビカ種に比べて、ロブスタ種は低地でも栽培しやすい品種であり、ベトナム中部の高原地帯(バンメトートなど)は、その生産に最適な高温多湿な気候と肥沃な土壌を持っています。

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製法と焙煎の特徴

ベトナムのロブスタ種は、通常、中深煎りから深煎りで焙煎されます。これにより苦みと香ばしさが強調され、ミルクや練乳との相性がさらに良くなります。

生豆は発酵・乾燥(日干しまたは乾燥機)のあと丁寧に選別され、焙煎所で熱処理されます。品質の高い焙煎所では、単なる雑味ではなく、チョコレート・ナッツ・カカオ・スモーキーな香りがうまく引き出されるよう、焙煎曲線を細かく調整するのが近年のトレンドです。

高品質ロブスタ種へのシフト

かつて「低品質」「苦いだけ」という評価を受けることの多かったロブスタ種ですが、近年その評価は大きく変わりつつあります。

これまで「100%アラビカ」を掲げていた一部のロースターが、ロブスタを30%程度ブレンドする例が増えています。コスト面だけでなく、「味わいの深み・コク」を意図的に引き出す目的での使い方が広がっているのです。

また世界最大のロブスタ種生産国であるベトナムでも、高品質化の流れは加速しています。

ロブスタ種高品質化の流れ
  • 無農薬栽培や有機肥料の導入
  • HACCPやISO認証の取得
  • 海外ロースターとの直接取引(Direct Trade)を通じたブランド価値の向上

さらに、気候変動の観点からもロブスタ種は注目されています。ロブスタ種は、気温上昇や降水量の減少といった環境変化にも比較的強い特性を持っています。

よりサステナブルなコーヒーを模索する動きが世界的に広がる中で、ロブスタ種は今後さらに大きな可能性を秘めた品種のひとつといえるでしょう。

ベトナム産ロブスタ種の銘柄と選び方

ロブスタ種の魅力を知ったところで、ベトナムの現地スーパーで購入できるロブスタ種と選び方・保存方法をお伝えします。

ベトナムの現地スーパーで買えるロブスタ種

  • MR.VIETの「ROBUSTA250g」
画像:公式HPより引用

ノンラーをかぶったおじさんがインパクトのある「MR.VIET」。現地スーパーでも気軽に購入できるベトナムコーヒーとして知られています。アラビカ種とブレンドされた銘柄はよく見るものの、こちらはロブスタ種100%。ロブスタ種の魅力をたっぷりと味わいたいときにおすすめです。

  • HIGHLANDS COFFEEの「Traditional 200g」
画像:公式HPより引用

ベトナムのスタバとよばれる大手チェーン「HIGHLANDS COFFEE」。お土産用のコーヒー豆やインスタントコーヒーの購入も可能です。こちらはアラビカ種とロブスタ種のブレンド。ロブスタ種は苦い、だけどコーヒーのコクを楽しみたい人はぜひお試しください。

  • TRUNG NGUYEN COFFEEの「SANG TAO 1」
画像:公式HPより引用

コーヒー豆やドリップコーヒーの販売だけでなく、本格派のカフェも展開している「TRUNG NGUYEN COFFEE」。SANG TAOシリーズのなかでも「SANG TAO1」はベトナム中部で育った上質なクリロブスタ豆(Culi Robusta)を厳選して使用しています。コクがあり、酸味がないのが特徴で、牛乳や練乳との相性も抜群です。

ベトナムロブスタの選び方と保存方法

豆の鮮度を重視するなら、焙煎日が明記されたものを選び、焙煎後2〜4週間以内のものを購入しましょう。

挽き方は細挽き~中挽きが推奨され、濃厚な味を楽しみたい場合は細挽きがおすすめです。

保存方法のポイント

  • 密封する: 空気に触れると酸化が進むため、気密性の高いキャニスターに移し替えるのがおすすめ。
  • 場所: 直射日光や高温多湿を避け、冷暗所で保存。
  • アルミ袋を活用: 遮光性の高い袋が最も適しています。
ポイント コーヒー豆を大量購入した場合は小分けにして冷蔵・冷凍し、使う分だけ常温に戻してから挽くと、酸化や風味の低下を抑えられます。

まとめ:ベトナムのロブスタ種の魅力

日本では加工用として活用されてきたロブスタ種ですが、その奥にはチョコレート・ナッツ・スモーキーな香りが広がる、豊かな味わいの世界があります。

金属製のフィンを使ったドリップから、練乳ミルクコーヒーなどのアレンジまで、幅広い飲み方に対応できる奥の深さを持っています。さらに近年は、サステナブル農法の広がりによって、その評価は世界的に高まりつつあります。

日常的に飲めるコスパの良さと、奥深い風味。その両方を兼ね備えているのが、ベトナムのロブスタ種の最大の魅力といえるでしょう。

ベトナムの活気ともに事業を伸ばしていく。
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小島 怜

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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