FEATURE
05
このカフェの写真をもっと見たい方はLa Viet Coffeeのカフェ図鑑ページをご覧ください。
ベトナム中南部の高原都市ダラット(Da Lat)。標高約1,500メートルに位置するこの街は、フランス植民地時代から避暑地として知られてきましたが、近年はもうひとつの顔で注目を集めています。それが、ベトナム産アラビカコーヒーの一大産地としての姿です。そのダラットのコーヒーシーンを牽引するのが、La Viet Coffee(ラ・ヴィエットコーヒー)です。
2015年、創業者のチャン・ニャット・クアン(Tran Nhat Quang)氏がダラットに開いたこのカフェは、ベトナムのスペシャルティコーヒーを世界に発信する拠点として急速に成長しました。ベトナムのコーヒーといえばロブスタ種が全体の約82%を占めますが、La Vietはダラット周辺のラムドン省で栽培されるアラビカ種に着目。地元の農家と直接取引し、ブルボン種やティピカ種といった希少な品種の栽培を支援しながら、品質の高い豆を確保しています。
その品質は国内外で高く評価されており、2025年4月にはUCCコーヒーコンテスト2025(第11回、ダラット開催)に参加するなど、スペシャルティコーヒーの世界で着実に存在感を高めています。Tripadvisorではダラットのカフェランキングで常に上位に位置し、旅行者の口コミでも高い評価を獲得しています。
La Viet Coffeeの魅力は、スペシャルティコーヒーとしては驚くほどリーズナブルな価格設定にあります。日本やオーストラリアのスペシャルティカフェなら一杯500〜800円はするクオリティのコーヒーが、ここでは信じられない価格で楽しめます。
まず試してほしいのが、ラテ(Latte)。わずか40,000VND(約240円)で、ダラットの高原で育ったアラビカ豆の繊細な風味とミルクのハーモニーを楽しめます。店内で焙煎されたばかりの新鮮な豆を使っているため、市販の豆では味わえない香りの豊かさが際立ちます。
アフォガート(Affogato)は35,000VND(約210円)という破格の価格。濃厚なエスプレッソをバニラアイスクリームにかけたこのデザートドリンクは、ダラットの涼しい気候の中で味わうと格別です。コーヒーの苦味とアイスの甘みのコントラストが絶妙で、コーヒー通にも初心者にもおすすめできる一品です。
コーヒーの味をストレートに楽しみたい方には、ハンドドリップやエアロプレスで淹れたシングルオリジンコーヒーがおすすめ。ダラット産のアラビカを中心に、ケニア、エチオピア、グアテマラなど世界各地の豆も取り揃えていますが、やはり地元のアラビカ豆が一番人気。産地の個性を感じられるライトロースト〜ミディアムローストの焙煎が特徴です。
コーヒー豆の小売も行っており、250gで約170,000VND(約1,020円)から購入可能。焙煎日が明記された新鮮な豆を持ち帰れるので、コーヒー好きへのお土産として最高の選択肢です。
La Viet Coffeeを訪れて最初に驚くのは、その空間のスケール感です。カフェというよりは「コーヒーファクトリー」と呼ぶべき、広大な倉庫をリノベーションした店舗は、ダラットのカフェの中でもひときわ異彩を放っています。
Nguyen Cong Tru通り200番地に位置するこの空間は、もともとコーヒー豆の加工倉庫として使われていた建物です。天井の高い倉庫の中に、カフェスペース、コーヒー教室、豆の販売エリア、そしてガラスで仕切られた焙煎ラボが共存しています。店内のあちこちにコーヒー豆の麻袋が積まれ、巨大なドライミル(精製機)が鎮座する様子は、まさにコーヒーの聖地にふさわしい光景です。
このドライミルは1時間に1トンのグリーンビーンズ(生豆)を処理できる能力を持ち、実際に稼働している様子を間近で見られます。ガラス越しに焙煎機が回る音を聴きながらコーヒーを飲むという体験は、他のカフェでは味わえないLa Vietならではのものです。
インダストリアルデザインの店内には、コンクリートの壁、むき出しの配管、金属製の什器といった無骨な要素が並びますが、不思議と温かみを感じる空間に仕上がっています。木製のテーブルや革張りのソファ、そして差し込む自然光が、工場的な雰囲気を和らげているのでしょう。至るところに「映える」スポットがあり、写真撮影を楽しむ旅行者の姿も多く見かけます。
ダラットの冷涼な気候も、この空間の魅力を引き立てます。ホーチミン市やハノイの蒸し暑さとは異なり、年間平均気温が18〜25度のダラットでは、ホットコーヒーをゆっくり楽しむのに最適な環境。朝晩は肌寒いほどなので、温かいラテを片手に倉庫カフェの雰囲気に浸る時間は、ベトナム旅行の中でも特別な思い出になるはずです。
価格帯:30,000〜60,000VND(約180〜360円)。スペシャルティコーヒーとしては破格の安さ。ラテ40,000VND、アフォガート35,000VNDという価格は、世界のスペシャルティカフェの中でもトップクラスのコスパです。
住所:200 Nguyen Cong Tru, Ward 8, Da Lat, Lam Dong
営業時間:7:00〜22:00(年中無休)
アクセス:ダラット市中心部から車で約5分。ダラット大聖堂やスアンフーン湖からタクシーやGrabで10,000〜15,000VND程度です。住所を運転手に見せれば、地元では有名なカフェなので迷うことはないでしょう。
滞在時間の目安:コーヒーを飲むだけなら30分〜1時間。焙煎ラボの見学や豆の購入、写真撮影を楽しむなら1.5〜2時間は見ておくとよいでしょう。コーヒー教室(ワークショップ)に参加する場合は事前予約が必要です。
注文のコツ:英語メニューがあり、スタッフも基本的な英語対応が可能です。初めてならダラット産アラビカのラテがおすすめ。コーヒーに詳しい方は、スタッフにおすすめの豆を聞いてみてください。豆の特徴や焙煎度合いについて、熱心に説明してくれるはずです。
お土産:焙煎したてのコーヒー豆(250g〜)を店舗で購入可能。焙煎日が明記されているので、帰国後も新鮮な状態で楽しめます。真空パックにも対応してくれるので、お土産として持ち帰りやすいです。
ダラットへの行き方:ホーチミン市からはVietJet AirやVietnam Airlinesの国内線で約50分(リエンクオン空港利用)。バスなら約6〜7時間。ダラット自体が人気の観光地なので、1泊2日以上の日程を組んでLa Vietを含むカフェ巡りを楽しむのがおすすめです。
La Viet Coffee(ラ・ヴィエットコーヒー)は、ダラットの高原で育ったアラビカ豆を、倉庫をリノベーションした圧巻の空間で味わえるスペシャルティコーヒーの聖地です。ラテ40,000VND(約240円)、アフォガート35,000VND(約210円)という驚きの価格で、世界水準のスペシャルティコーヒーを楽しめます。
焙煎ラボを眺めながらコーヒーを飲み、新鮮な豆をお土産に買って帰る。そんな体験ができるカフェは、ベトナム広しといえどもLa Vietをおいて他にありません。ダラットを訪れるなら、La Viet Coffeeは絶対に外せない一軒。ベトナムコーヒーの新しい可能性と、高原の爽やかな空気を同時に味わえる、唯一無二のコーヒー体験が待っています。
コメント