ベトナムコーヒーの魅力を知っていますか?
世界有数のコーヒー生産国であるベトナムでは、独自のコーヒー文化が息づいています。特に首都ハノイは、伝統的なカフェから最先端のおしゃれなコーヒーショップまで、多彩なコーヒー体験ができる場所なんです。
フランス植民地時代から続く歴史の中で育まれたベトナムコーヒーは、濃厚で香り高いロブスタ種を中心に、独自の抽出器具「フィン」を使った淹れ方が特徴的。コンデンスミルクの甘さと苦みのバランスが絶妙で、一度飲むと忘れられない味わいです。

ハノイの街を歩けば、どこからともなくコーヒーの香りが漂ってきます。地元の人々が日常的に楽しむ姿は、この国のコーヒー文化の深さを物語っています。
2025年現在、ハノイのカフェシーンはさらに進化し、伝統的なベトナムコーヒーだけでなく、エッグコーヒーやココナッツコーヒーといった独創的なバリエーションも楽しめるようになりました。
ハノイで絶対に訪れたい伝統的カフェ
まずは、ハノイの伝統的なコーヒーを味わうなら外せない名店をご紹介します。
Cafe Giảng(カフェ・ザン)
ハノイ旧市街にある「Cafe Giảng(カフェ・ザン)」は、エッグコーヒー発祥の店として知られる老舗カフェです。1946年の創業以来、秘伝のレシピで作られるエッグコーヒーは、卵黄とコンデンスミルクを泡立てたクリーミーな食感と、下層の濃厚なコーヒーのコントラストが絶妙。まるでデザートのような味わいが特徴です。

店内は常に地元客と観光客で賑わっていますが、2階の窓際の席に座れば、ハノイの街並みを眺めながらゆったりとコーヒータイムを楽しめます。
The Note Coffee
「The Note Coffee」は、カラフルな付箋メモで埋め尽くされた独特の内装が印象的なカフェ。ホアンキエム湖のすぐそばにあり、訪れる客は壁一面に貼られた世界中からのメッセージを読みながら、本格的なベトナムコーヒーを楽しめます。
こちらでは伝統的なベトナムコーヒーはもちろん、ココナッツコーヒーも人気メニュー。ココナッツの甘い香りとコーヒーの苦みが絶妙にマッチした一杯は、暑いハノイの日にぴったりの清涼感があります。
「どのカフェも初めて訪れると、メニューの多さに驚くかもしれませんね。」
実は私、初めてハノイを訪れたとき、カフェで注文しようとして固まってしまったんです。ベトナム語のメニューに戸惑っていると、隣に座っていた地元の方が「エッグコーヒーがおすすめだよ」と教えてくれました。その親切な一言がきっかけで、ベトナムコーヒーの虜になってしまいました。
ハノイのおしゃれな現代風カフェ
伝統的なカフェも魅力的ですが、最近のハノイには洗練されたモダンなカフェも急増しています。
KATINAT(カティナット)

「KATINAT(カティナット)」は、現在ベトナムで最も若者に人気のあるチェーン店です。ハノイ市内にも複数の店舗があり、特にタイ湖を眺められる立地のお店は、景色を楽しみながらコーヒータイムを過ごせると評判。店内はスタイリッシュな内装で、インスタ映えするカップデザインやメニューも魅力です。

おすすめは「ウーロンティー」と「アボカドヤングココナッツ」。特にアボカドとココナッツを組み合わせた飲み物は、クリーミーな口当たりとトロピカルな風味が絶妙で、コーヒー以外の選択肢を求める方にぴったりです。
ハノイだけではなく、ベトナム主要都市には店舗が数多くあります。
MAISON MAROU(メゾンマルゥ)

「MAISON MAROU(メゾンマルゥ)」は、ベトナム産カカオを使用した高級チョコレートブランド「MAROU」が運営するカフェ兼ショップ。モダンでスタイリッシュな店内では、チョコレートを使ったメニューとコーヒーのペアリングを楽しめます。
シグネチャーホットチョコレートは、ベトナム産カカオの風味がしっかりと感じられる贅沢な一杯。コーヒーと一緒に、ショーケースに並ぶ美しいケーキも是非試してみてください。
Cộng Cà Phê(コンカフェ)

「Cộng Cà Phê(コンカフェ)」は、ベトナム戦争時代を思わせる共産主義スタイルのレトロなデザインが特徴的なカフェチェーン。ミリタリー風の小物やヴィンテージポスターで装飾された独特の雰囲気が、若者を中心に人気を集めています。
カフェが数多くあるベトナムですが、北のハノイと南部ホーチミンではお店も少し異なったりするので、違いを楽しんでみてください。

ハノイで味わう個性派ベトナムコーヒー
ベトナムコーヒーといえば、その独創的なバリエーションも魅力のひとつです。
エッグコーヒーは、泡立てた卵の黄身がフォームとなって乗ったコーヒー。カスタードプリンのような風味と、コーヒーの苦みが絶妙にマッチしています。先ほど紹介した「Cafe Giảng」が発祥ですが、他にも多くのカフェで提供されています。
ソルトコーヒーは、アイスラテの上のふわふわミルク層に若干の塩味を加えたもの。一見奇妙な組み合わせに思えますが、塩味がコーヒーの風味を引き立て、ごくごく飲める美味しさです。特に暑い日には最高の清涼感を味わえます。

ココナッツコーヒーは、ココナッツのジェラートにエスプレッソを注いだような飲み物。ココナッツの甘くていい香りとコーヒーの香ばしい香りが相まって、南国感あふれる一杯を楽しめます。
「GẤU(ガウ)」というカフェでは、これらの個性派コーヒーを全て楽しめるだけでなく、季節限定の創作コーヒーも提供しています。2025年の夏には、ドラゴンフルーツとパッションフルーツを組み合わせた新作コーヒーが登場し、SNSで話題になりました。
私がハノイを訪れた際、最初はエッグコーヒーの見た目に少し抵抗がありました。「生卵が入ったコーヒー?」と思ったんです。でも勇気を出して一口飲んでみると、その濃厚でクリーミーな味わいに驚き!それからは毎日違うカフェでエッグコーヒーを飲み比べるのが日課になりました。
ベトナムコーヒーの魅力は、単に味だけではありません。その飲み方や雰囲気、そして現地の人々とのふれあいも含めた総合的な体験なのです。
ハノイのカフェ巡りを楽しむコツ
ハノイでのカフェ巡りをより充実させるためのコツをいくつかご紹介します。
まず、時間帯によってカフェの雰囲気は大きく変わります。朝の7時〜9時頃は地元の人々が朝のコーヒーを楽しむ時間。この時間帯に訪れれば、ハノイの人々の日常を垣間見ることができます。
一方、午後2時〜5時頃は比較的空いていることが多く、ゆったりとコーヒーを楽しむのに最適です。特に旧市街のカフェは観光客で混雑しがちなので、この時間帯を狙うと良いでしょう。

また、ハノイのカフェは場所によって特色が異なります。旧市街エリアは伝統的なカフェが多く、地元の雰囲気を味わいたい方におすすめ。タイホーエリアはおしゃれな現代的カフェが集まり、洗練された空間でコーヒーを楽しめます。
「Capella Coffee Roaster Hanoi」のようなスペシャルティコーヒーショップでは、ベトナム産の高品質なアラビカ種を使ったコーヒーも提供しています。コーヒー通の方は、ぜひ訪れてみてください。
ハノイでコーヒーを注文する際のちょっとしたベトナム語も覚えておくと便利です。「Cà phê sữa đá」(カフェスアダー)は氷入りミルクコーヒー、「Cà phê đen」(カフェデン)はブラックコーヒーを意味します。
思い出深いのは、ある小さな路地裏のカフェでの出来事。注文しようとしたとき、メニューが全てベトナム語で読めなかったんです。困っていると、店主のおばあさんが笑顔で「Try this!」と言って出してくれたのは、彼女特製のフルーツ入りコーヒー。その優しさとコーヒーの美味しさに、言葉の壁を超えた温かさを感じました。
ハノイのコーヒー体験をお土産に持ち帰る
ハノイでの素晴らしいコーヒー体験を日本に持ち帰りたいなら、コーヒー豆やグッズのお土産もおすすめです。
「Trung Nguyen(チュングエン)」は、ベトナムを代表するコーヒーブランド。特に「Trung Nguyen Legend」シリーズは高級ラインで、ギフトにも最適です。スーパーマーケットや専門店で購入できます。
「CONG Cafe」のパッケージもおしゃれで人気のお土産。独特のレトロなデザインは、見た目でもベトナムの雰囲気を伝えてくれます。
アラビカ種を求めるなら「La Viet」がおすすめ。ベトナム中部の高原地帯で栽培された高品質なアラビカ豆を使用しており、日本人の口にも合いやすい味わいです。コーヒーを淹れるための伝統的な「フィン」も素敵なお土産になります。使い方を覚えれば、自宅でも本格的なベトナムコーヒーを楽しめますよ。
ハノイでの最高のコーヒー体験は、その味わいだけでなく、街の雰囲気や人々との交流も含めた総合的な思い出です。コーヒー一杯に込められたベトナムの歴史と文化を感じながら、あなただけのハノイカフェ巡りを楽しんでください。ベトナムコーヒーは単なる飲み物ではなく、文化そのもの。その奥深さを知れば知るほど、また訪れたくなる魅力に満ちています。
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